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含窒素複素環化合物の精密構築法の開発

これまでに数多くの医薬品が開発され、使用されています。その6割超には何かしらの形で窒素原子をもつ環状骨格(含窒素複素環)が含まれており、複素環上に複雑に配置された置換基によって精密に薬理作用が制御されています。しかし、複素環構造の適切な位置に所望の置換基を正確に導入するには困難を伴うことも少なくありません。そこで私たちは、所望の置換基を持たせた原料を設計して、それらをブロックのように組み立てて含窒素複素環自体を精密に構築するde novo合成法の開発研究を行っています。多様な置換基と共存しながら分子変換を実現できる金触媒の作用を引き出して、連続反応による様々な含窒素複素環化合物の新規構築法の開発に取り組んでいます。

Angew. Chem. Int. Ed. 2013, 52, 7168–7171.

Org. Lett. 2014, 16, 4948–4951.

Org. Lett. 2015, 17, 1320–1323.

Synthesis 2016, 48, 1855–1864.

Adv. Synth. Catal. 2016, 358, 380–385.

Org. Lett. 2021, 23, 3981–3985.

J. Org. Chem. 2023, 88, 6973–6986.

Adv. Synth. Catal. 2024, 366, 4674–4678.

周期表

生物活性有機分子の効率的構築を実現する
新規分子変換法の開発

生物活性を示す化合物には複雑な構造や多様な官能基を備えたものが数多く存在します。どうしても多段階を経ないと合成できなさそうな生物活性化合物でも、新しい反応や方法論の開発によって、驚くほど簡単にできてしまうかもしれません。また、昔なら許されていた方法でも、現在では環境負荷の観点から許容されないものもあり、代替法の開発も盛んに行われています。そこで私たちは、生物活性を示す化合物を効率的に構築することを目指して新たな分子変換法の開発を行い、さらには実際の合成に使用できることを実証していきます。

Chem. Pharm. Bull. 2019, 67, 1019–1022.

Tetrahedron Lett. 2022, 102, 153922.

SYNLETT 2025, 36, 176–180.

Tetrahedron 2015, 71, 3619–3624.

J. Org. Chem. 2021, 86, 3970–3980.

科学コース

創成した化合物の医薬化学的応用

医薬品として利用されているものは、そのほとんどが有機化合物です。私たちの専門技術である有機合成化学を利用すれば、作用・副作用のチューニングが可能になります。生物系・薬理系の研究者からのご依頼・ご提案で、医薬品の構造改変を担当して、新たな医薬品候補化合物を生み出す取り組みもしています。また、新反応によって出来上がる分子は新規化合物であることが多いため、新しい医薬品となる可能性を多分に秘めています。そのため、研究の結果得られた化合物については、積極的に生物系・薬理系の研究者との共同研究をおこなって、それらの生物活性を評価していこうと考えています。

Bioorg. Med. Chem. Lett. 2012, 22, 4323–4326.

Br. J. Pharmacol. 2013, 168, 903–919.

Org. Lett. 2015, 17, 5910–5913.

Biochem. Biophys. Res. Commun. 2021, 567, 177–182.

試験管
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